左官の鏝(材質編2)

鉄の鏝についてです。

一般的には、

  • 地金(じがね)
  • 半焼き(はんやき)
  • 油焼き(あぶらやき)
  • 本焼き(ほんやき)

の4種類があります。
これらは柔らかい順に並んでいるので、「地金」の鏝が最も柔らかく、「本焼き」の鏝が最も固いことになります。

そしてこの固さは、「材質」や「製造過程」で変えることができます。
それは鉄の性質で「炭素」が多く入るほど固くなり、また、「焼き入れ」すると固くなります。

なので、「地金」の鏝は鉄の中に炭素はほとんど入っておらず、焼き入れもしていません。
対照的に、「本焼き」の鏝は炭素が多く、焼き入れを行います。「半焼き」「油焼き」はその中間になります。見た目では、固い鏝の方が光って見えます。

写真の左の鏝は「地金」で右の鏝は「本焼き」ですので、分かりやすいでしょうか?でも、左官職人なら見た目でなくても、塗っただけで分かります

これらが、鉄の鏝の基本になります。。。

ちなみに、「地金」の鏝はここ静岡県内に置いてある店は少ないです。

地金の鏝を多用する「土」や「漆喰」の仕事が少ないからなんでしょうか・・・??