「奥田信雄の京壁」講習会2


投げスサ引摺り(なげすさひきづり)仕上げ
についてです。

これは、中塗り時や上塗りの1回目を塗ったあとにスサを埋込み、上塗り後に「引き摺り鏝」で模様を出す工法です。
上塗り材には、「」と「」と「細かいスサ」のみで、やはり糊は入っていません。
糊が入っている方が塗りやすさ、強度の点でメリットもあるのですが、技術的価値は全く違います。とても難易度が高いそうです。

スサを埋め込んでいます。スサの埋込む模様にも意味があるとか!?

これが「引き摺り鏝」です。 湾曲している独特の形状です。
とても古い物だそうです。奥田さんは引き摺り鏝だけでも20種類以上持っているそうですが、すべて形状が異なり、それぞれ異なった模様が出るそうです。

ざくっと、ほわっと感
が大切なんだそうです。

これで完成です。

数日経つと、水が引いて乾いてきてスサが浮き出てくるそうです。
どんな表情になるのかはあとは自然にまかせるしかありません。
人の手を離れてから表情が変わっていくなんて・・・これが左官の魅力でもありますね

一般の住宅ではほとんど施工されることがない仕上げですが、日本の左官の伝統的工法として知っておくべき工法です。

それにしても、「」と「」と「ワラ」の自然素材に「」の力を借りるだけでこんなにも綺麗な表情を出すんですから
本当にスゴイです