左官の材料というと、「セメント」、「砂」、「ワラ」、「土」、「竹」、「石灰」などの自然素材をすぐに思いつく方も多いのではないかと思いますが、実は、有機化学物質(ここでは樹脂と呼びます。)も左官材料には多く使用されています。
たとえば、「アクリル系」,「カチオン系」,「エポキシ系」,「ウレタン系」,「酢酸ビニル系」,何系か分かりませんが「合成エマルション」と呼ばれるものも、樹脂の仲間になります。
樹脂のメリットは「固さの調整ができる」「弾性になる」「安価」「作業性がよい」などの機能があり、とても便利なものです。
スーパーの買い物かごが代わりにビニール袋になり、ジュースのビン、缶の代わりにペットボトルになり、ガラスの代わりにアクリルやポリカーボネートになったように、樹脂は非常に便利なものなのです。
従って、左官材料も樹脂と上手に付き合っていく必要があります。
例えば、コンクリートの上にモルタルを塗るとき、接着剤と呼ばれるシーラー(例えばハイフレックスなど)を塗ったり、住宅の外壁によく塗られるアクリル系の材料(例えばジョリパット)のように、機能面や経済性の面で必要に応じて使用していくべきだと思います。