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繊維壁

2009年5月12日

繊維壁の塗り替え


よく依頼を受ける仕事です。
和室の壁を塗り替えて欲しい・・・。

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この壁の種類はここで何度か紹介していますが「繊維壁(せんいかべ)」といいます。

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こんな感じで塗り替えました。

繊維壁の程度がよければ、その上から直接塗ることができる材料もありますが、金額もそんなに高いものではありませんので、繊維壁の樹脂の劣化を考えても、一度剥がしてから塗ることをオススメしますicon22


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塗り替えると、部屋の雰囲気も一新しますねicon02

2009年4月24日

繊維壁がポロポロ落ちる

昭和40年~50年代に大流行した壁材「繊維壁(せんいかべ)
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拡大すると、こんな感じです。多くの方が見たことがあると思います。


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素材は「パルプ」「ワラ」「」「」などに「樹脂」を混ぜ合わせたものです。
だけど・・・、


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数十年経過すると「樹脂」が劣化してしまい、指でこするとポロポロ落ちてしまいます。(子供達がよくやりますicon10
ですので「左官の壁はポロポロ落ちる」のではなく「樹脂入りの左官材料が劣化するとポロポロ落ちる」が正しいようです。。


2008年11月18日

ポロポロ落ちる壁

よくお客さんにこう言われます。

左官の塗り壁ってポロポロ落ちるんでしょ~~!?

半分正解ですicon20

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そういえば、私自身、このような壁を親戚の家に行っては、手でこすってポロポロ落として遊んでいました・・・icon07
確かに、この壁はポロポロ落ちます。理由は左官屋になってから分かりましたicon22

答えは「左官の塗り壁材に含まれている樹脂の経年劣化」ですびっくり

塗った当初は樹脂でしっかり固まっていてよいのですが、時間が経って劣化すると、少し触っただけでポロポロ落ちます。でも、樹脂の入っていない、「」「石灰」などの材料はいつまでもポロポロ落ちません。ただし、「」は性質上樹脂よりも少し柔らかいです。「石灰」は樹脂とは質感がちがいますし、石灰が主成分の漆喰の壁が落ちるときは下地から浮いてしまうときです。

ということで正解は、「左官の樹脂入りの塗り壁ってポロポロ落ちるんでしょ~~!?

はい、そうですicon03


2008年10月6日

塗り壁の剥がし方

塗り壁のリフォームのとき、一度剥がすのですが、よく「どうやって剥がすのはてな」と聞かれますのでお答えします。(樹脂系の聚楽壁、繊維壁の場合です。)

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こんな既製品の商品があります。

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それを、水の中に入れて混ぜるとこんな感じでゼリー状になります。

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それを壁に塗りつけます。

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すると、すぐに浸透して不思議なことに、指で軽くこするだけでも簡単に取ることができますicon08

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ということで、こんなかんじで、スクレーパーで簡単に剥がすことができます。

2008年6月5日

黒壁の復元2

杉皮はシュレッダーをかけたりしてみたのですが、60年前の壁のように細かくなりません。
はさみでこれ以上細かくするにも・・・。
昔の人はどんだけ手間をかけていたのかを考えると気が遠くなりますicon07近くにあった「みじんスサ」というワラの細かいスサを見比べてみると、
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なかなかいい感じです。これを松煙で染め、代用することにしました。

本来のものと違うのが少し残念なところもあるんですが・・・。

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こんな感じになりました。

施工状況です。

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私も少し塗らせていただきましたが、「粉つのまた」が入っているとはいえ、ワラがあまり滑らないので、とてもスーッと塗れません。小さい鏝で厚くならないように伸ばしながら塗っていきます。

まとめです。
この壁は理由は分かりませんが、左官の本にも載っていない(私の知るかぎりですが・・・)壁でした。
繊維壁の前進的な壁ということで、材料さえそろえば比較的施工難易度はそれほど高いものではないと思います。また、この黒い壁はこれからも普通の民家では使用することはほとんどないと思います。理由は繊維壁の質感が今の時代にあまり受け入れられていないと考えられるからです。
ただし、樹脂ではなく、膠を使ったということで非常に貴重な経験にもなりました。漆喰や大津磨きとは一味違う昔の工法として記憶にとどめておきたいとおもいますicon01


2008年6月4日

黒壁の復元1

以前、ブログで紹介した60年前の「黒壁」を復元して施工しました。

ブログ記事はこちら→→→「60年前の壁」
            「黒壁の正体」

杉皮」を細かくして、黒く染めて、「(にかわ)」で固めるという方法です。

まずは見本作りからです。

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材木屋さんから分けてもらった「杉皮」を細かく切ります。
すごく手間がかかりました。

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こんな感じですが・・・。

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それを「松煙(しょうえん)」という墨で染めます。
3日間くらい寝かして、一度煮詰めました。

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これが「膠(にかわ)」です。
ちなみに膠とは、動物の皮革や骨髄から採られる強力な糊です。
古くは古代壁画や原始絵画の時代から使用され、現在でも日本画の制作においては、画面と絵具を接着するものとして重要な素材のようです。

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膠を一昼夜水につけた後、少し暖めて溶かします。

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それを布でこします。

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染めた杉皮を乾燥させてさらさらになりました。

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「杉皮」と「膠」と「粉つのまた」を配合しました。
塗りやすさをみて配合の調整です。

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そして見本を作りましたが・・・。

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が60年前の壁で、が今回作ったものです。
杉皮の大きさが大きすぎました・・・。

失敗ですicon07
つづく。

2008年5月7日

黒壁の正体

3/26のブログで書きました60年前の黒壁の正体が分かりました!!icon22
ブログ→→→「60年前の壁」

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正体は「杉皮黒壁」(勝手に命名icon32)だそうです。
繊維壁の前身の壁で、昭和30年ころに全国的に流行ったとかで、高級なお宅に塗られたようです。

施工工程は以下の通りです。
1.杉皮を2分の長さに切る
2.薄めたお酢であく抜きをする
3.松煙(しょうえん)を溶かした液で染める
4.膠(にかわ)と混ぜ合わせ塗る

ちなみに私は、1~4のどれもやったことがありません。
たしかに膠を使っているので、剥がしてみた壁をみても劣化していません。
昔の人はなんて大変な材料作りをしていたんでしょう。

教えていただいたので早速復元してみますicon33
実はすでに壁を剥がしてあって、いよいよ樹脂系の材料で塗ろうかとあきらめていました。

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教えていただいた「人見さん」ありがとうございました。
本当に嬉しかったです。icon02

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まい(米)かまど

しっくいまるわかり大辞典

株式会社ハマニ代表取締役 河合滋

代表取締役社長 河合 滋

弊社は約30人の左官職人による職人集団です。

高年齢化に伴い左官職人の減少が急加速していく昨今ですが、ハマニは伝統技術の継承や若い職人の育成、マナー教育、左官の啓蒙活動に力をいれており、これからもさらに飛躍し続ける会社を目指します。

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