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2011年2月28日

鰻の販売

先日、鏝の販売会に行ってきました。
場所は御前崎の左官屋「松本工業」さんの事務所でした。
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あまりなじみのない方がほとんどだと思いますが、鏝にもメーカーがあり、形状や質が全く違います。なので、自分にあった鏝のメーカーや形状などを早く知ることは、上達の近道であることは間違いないと思います。(スポーツでいうと、スキーやゴルフなどのようなものです。)
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現在鏝を作っているところは、日本のほとんどが兵庫県三木市だそうです。
そして、そのなかでもこだわりのある優れたの鏝メーカーさんたちが静岡県に来てくれたのです。とても嬉しいことですニコニコ
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現在、鏝を作る職人さんがどんどん減っているようです。
鏝がなければ左官仕事ができなくなってしまいます汗
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このような機会が全国で増えると、鏝屋さんが喜ぶだけでなく、左官職人の技術の向上にもなるかもしれませんし、お施主様にとっても良いことですよね。
まさに一石三鳥!グッド
2008年10月12日

左官の鏝(大きさ編)

鏝の「大きさ」についてです。

昨日の「形状」の話とかぶるのですが、大きさにも様々なものがあって、壁の形や仕上げの種類により、左官職人がその都度、現場に合った大きさのものを使用します。

鉛筆まず大きい鏝について説明します。

大きい鏝のメリットは、鏝の長さや面積が大きくなるので、平らに塗ったり、押さえたりすることができます。
(逆に、押さえて仕上げるときに、もし平らに塗れていないとすると、鏝が均等に当たらずに仕上げることができません。)
それから、大きい鏝は一度にたくさんの材料を乗せることができますので、作業性も早くなります。

ただし、大きい鏝ほど力を入れて塗らないと鏝の圧力がかかりませんので大変です。。。icon20

実用モデルでこんな大きな鏝も販売されているそうですicon08

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この鏝は長さ90㎝だそうで、定価で約2万円ほどとか。。。
作業風景を見てみたいです。

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この鏝もアイデア商品ですね。なんと!両手で持って作業するそうです。
平らに押さえられそう。。。


ちなみに小さい鏝では、

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こんなのもあるそうです。。。

2008年10月11日

左官の鏝(形状編)


鏝の「形状」についてです。

鏝は本当に様々な形状のものがあります。

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この写真もパッと見ただけでは、どこでどのように使うのか分からない方も多いと思います。

鏝の形状は仕上げの材料や下地の形によって、塗りやすいように、そして仕上げやすいように、左官職人が考えて少しずつ進化していったのだと思います。

名前のついている鏝だけでも何種類あるのか分かりません。
とても一つ一つ説明しきれませんので、私の知り合いがHP「左官鏝の解説」で鏝のことをまとめていて、写真入りで解説していますので、ここを見ればその種類の多様さがよく分かります。

また、鏝の説明や販売はHP「職人魂」がとても充実していてここもオススメです。

興味のある方は参考にしてください。。。icon01


2008年10月10日

左官の鏝(材質編3)

鉄の鏝」について、もう少し深く突っ込んでみます。

鉄の鏝は、大きく分けると、「地金」「半焼き」「油焼き」「本焼き」の4種類あると昨日説明しました。

ですが、どうやら鉄そのものにも種類があって、一般的には

「SK鋼」
「スウェーデン鋼」
「ハイカーボン鋼」
「安来(やすき)鋼(青紙、白紙、黄紙)」

などなどがあるそうですicon06

それぞれ固さや粘りに特徴があるとか!??
中でも一番メジャーなのは「SK鋼」でしょうか?
また、「安来鋼」はとっても高価です指輪キラキラ

けれども、それぞれの「」に「地金」「半焼き」「油焼き」「本焼き」の鏝が存在するのかは・・・、スミマセン分かりません・・・icon20
(おそらくは、材質の問題で製造出来ないとか、できたとしても使いにくいということで、全部はないと個人的には考えますが・・・。誰か教えてください。。。)

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これは「特殊鋼」って書いてあるけど・・・はてなはてな

ということで、ちょっと中途半端ですが「材質編」は以上です。

明日は「形状編」を説明しますicon06

2008年10月9日

左官の鏝(材質編2)

鉄の鏝についてです。

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一般的には、
・地金(じがね)
・半焼き(はんやき)
・油焼き(あぶらやき)
・本焼き(ほんやき)


の4種類があります。
これらは柔らかい順に並んでいるので、地金」の鏝が最も柔らかく、「本焼き」の鏝が最も固いことになります。

そしてこの固さは、「材質」や「製造過程」で変えることができます。
それは鉄の性質で「炭素」が多く入るほど固くなり、また、「焼き入れ」すると固くなります。

なので、「地金」の鏝は鉄の中に炭素はほとんど入っておらず、焼き入れもしていません。
対照的に、「本焼き」の鏝は炭素が多く、焼き入れを行います。半焼き」「油焼き」はその中間になります。
見た目では、固い鏝の方が光って見えます。

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写真の左の鏝は「地金」で右の鏝は「本焼き」ですので、分かりやすいでしょうか?
でも、左官職人なら見た目でなくても、塗っただけで分かりますicon01

これらが、鉄の鏝の基本になります。。。icon11


ちなみに、「地金」の鏝はここ静岡県内に置いてある店は少ないです。
地金の鏝を多用する「土」や「漆喰」の仕事が少ないからなんでしょうか・・・??

2008年10月8日

左官の鏝(材質編1)

今回から何回かに分けて鏝(こて)について解説します。

左官職人が壁を塗るために必要な道具ですが、本当にたくさんの種類があります。

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一般の方はとても分かりにくいので、できるだけ分かりやすく基本的な部分を説明します。

まず、鏝の種類は、
1.材質 2.形状 3.大きさ 4.壁の仕上げの種類など、全てにおいて違い、何百、何千種類もあるといわれていますicon08つまり左官職人は、用途に応じて使う鏝の種類を変えていくわけです。

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今回は
1.材質>についてです。
つまり、鏝は何でできているんでしょうか?ということです。

一般的によく鏝屋、金物屋で市販されているものでは、
A.鉄 B.ステンレス C.木 D.プラスチックがあります。

そしてこれらは、なんで違うの?」「 どのように使い分けているの?なんてこともよく質問されますが、一言でいうと

固さが違って、塗りやすさと仕上げよって使い分けている

ということなんだと思います。
つまり、表現が微妙なんですが、「厚くてやわらかくてザラザラの鏝」は、塗るときに滑らないので、塗りやすく平らにしやすいです。そのかわり、塗ったときの表面の表情(肌)は荒くなります。一般的に「木鏝」なんかが分かりやすいと思います。

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「木鏝」名前の通り木で出来ています。

逆に、ステンレスの鏝は「硬くてつるつる」ですので、土やモルタルを塗りつけるときは、滑って塗りにくいです。
なので、最後の仕上げで押さえるときに使用すると、とても表面がとても細かくきれいになります。

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「ステンレス鏝」

では、「A.鉄」の鏝はどうなんでしょうか?
鉄の鏝はさらに細かく分類できます。

つづく。

2008年7月3日

鏝鍛冶

左官の鏝(こて)を購入したら、金物マガジン」(発行所:エフキューブ)という小冊子が付いてきました。
中には「鏝鍛冶(こてかじ)」の特集がありました。「鏝鍛冶」とは「鏝を作る人のことで、鏝屋さんという意味です。」

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みなさんの笑顔が本当に素敵ですicon02

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ピカピカの鏝icon22はこんなに薄暗い無機質な場所で制作しているんですね。

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団塊世代退職による左官職人の減少が叫ばれていますが、鏝鍛冶はそれ以上に数が少なくなっているそうです。icon20
この写真にある兵庫県三木市の「梶原製作所」さんは後継者がいる数少ない鏝鍛冶さんのようです。

鏝がないと左官職人は仕事ができません。
カリスマ左官の一人である「久住 章」さんは、もっと左官職人にたくさん鏝を購入してもらい、よい鏝鍛冶さんを残して欲しいと懇願しています。
そのためには「お歳暮やお中元に鏝を送ったらどうか!?」なんてこともおしゃっていましたicon11
よい鏝で作業すると精度も腕も上がります。考え的には、ゴルフやテニスやスキーなどのスポーツと近い気がします。

ということで、今月から月1回飲みに行くのをやめて、毎月1本ずつ浮いたお金で鏝を買うことにしようかな!?icon01

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しっくいまるわかり大辞典

株式会社ハマニ代表取締役 河合滋

代表取締役社長 河合 滋

弊社は約30人の左官職人による職人集団です。

高年齢化に伴い左官職人の減少が急加速していく昨今ですが、ハマニは伝統技術の継承や若い職人の育成、マナー教育、左官の啓蒙活動に力をいれており、これからもさらに飛躍し続ける会社を目指します。

ハマニのリフォーム部門有資格者のスタッフが、安心いただけるプランを提案。 些細な修繕から本格的なリフォームまで、お気軽に御相談ください。

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